仙台・岡本光平空海展の初日、大きな作品 「隅寺心経」が 一番最初にご売約。
10年前に、ふらっと会場に来られたご夫人が、岡本光平先生の書の実演ライブに興味を持たれ、息子さんが独立した時の為にと表札をリクエストしてくださいました。
それから先生と歴史の話が弾み、1時間後には会場に飾られていた一番メインの作品「神人和楽 屋久杉屏風」もお買い上げというドラマチックな展開になったことが忘れられません。
以来毎回この個展を楽しみに待っていてくださり、先生から仕入れた作品にまつわる歴史の舞台を旅することを楽しんでいるそうです。
今度は奈良の海龍王寺に行かれるに違いありません。
以下、岡本先生の解説。「隅寺心経」 755年頃(奈良時代)
隅寺とは奈良の海龍王寺のことで、もと光明皇后の父、藤原不比等の邸宅の北東隅にあったことから隅寺と呼ばれた。日本に残る般若心経でもっとも美しい書といえるが、隅寺には多数残った。そのうちの1種を模写した。繊細で品格が高く、文句なしの清雅な楷書である。リズムに乗って書いていると、“歩歩起清風”(その人が通ったあとには何とも言えないきよらかな空気が漂う)の心境になってくる。