羅針盤

 

もう何年も前からお世話になっている羅針盤のようなお客さまがいます。

最初はお客さまでしたが、次第に我が人生を導いてくださる師のように思うようになりました。

いつも応援してくださるこの方が喜んでくれる仕事をしたい、それがいつの間にか自分の指針になっています。

４年前に先輩の紹介から、とても素晴らしい木人形作家と出逢い、昨年、その作家の個展が実現した時も、喜びを一番に報告させて頂きました。

すると愛知県から宮城県の会場まで行かれないのは残念と言われながら、渡辺雄二先生の作品を大絶賛し、お求めくださいました。

「すごーい作家さんと廻り合わせてくれて、ありがとう」

そんなもったいないお言葉を頂き、感謝の言葉もありませんでした。

しかし元を質せば、渡辺先生と巡り会えたのも羅針盤の導きなのです。

今回、息子さんの渡辺邦彦先生のDMを送らせて頂くと、大阪の会場に出品された　「童」　もお求めくださいました。

昨日お陰さまで個展が成功した報告を兼ねて、御礼の電話をさせて頂きました。

「初個展おめでとうございます。良い作品を発表すると縁故のない地でもちゃんと人の心を動かすんですね。」

という有り難いお言葉を頂きました。

そして、さらに貴重な一言を添えてくださいました。

「頑張れば、最初は成功する。２回目を成功させて初めて成功と言える」

まさに師の言葉だと、肝に銘じました。