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Channel: 思いのしずく
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聖地シカチ・アリャン

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大阪の国立民族学博物館で開催中の「岩に刻まれた古代美術」を見た。

一昨年の春、第2次岡本光平アムール河岩画・拓本プロジェクトに参加して訪れた懐かしいアムール河。

会場には20点の拓本のほか、民族衣装や祭祀の器具などが展示されていた。

現地に赴いた者として、ドゥルジニナ・ニーナ・イグナチエヴナ村長の「ごあいさつ文」に、深く感銘した。

「私たち、ロシア連邦ハバロフスク地方シカチ・アリャン村というナナイ民族の小さな村の住民は、私たちの歴史考古学的な文化遺産【シカチ・アリャンの岩面画】に、日本の友人の皆さんが興味を抱いてくださったことに対して、大変誇りに思うと同時に感謝申し上げます。

私たちの祖先はこの大地に太古の昔から住み、子供たちに母なる自然に敬意を持って接することを伝え、素朴な暮らしを続け、神聖な場所を崇拝してきました。


そのような聖域の一つが、アムール河沿いの私たちの村にある古代の岩面画の遺跡です。

ここにはシャマンが集まり、儀礼を行い、神々に一族の繁栄と良い暮らしを祈りました。

ナナイの人々は今でもシカチ・アリャン村を訪ね、この聖地を崇拝しています。


ご自身の眼で1万2000年の時を超えて伝えられた古代の岩面画を見て、ナナイの歌を聞き、儀式の踊りに参加するために、ぜひ村においでください!」

我々が訪れた時、1メートルくらいの厚みで凍結したアムール河に、槍のような棒で穴をこじあけ、網を仕掛けて漁をしている人々の姿があった。

それはほんとうに、1万年前の人々もきっと同じ方法で魚を捕っていただろうと思われる暮らしぶりだった。

我々日本人のDNA に一番近いと言われる人々がシベリアのバイカル湖の東側に暮らしている。

そのバイカル湖と日本列島の真ん中に暮らすナナイ族の人々が、先祖代々守り続けて来た岩画(ぺトログリフ)。

ふるさとは遠きにありて思うもの、というが、ほんとに遠い聖地シカチ・アリャン、しかしそこは我々のルーツと思えば近い故郷であった。


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