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Channel: 思いのしずく
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2017 高松三越「岡本光平展」 1

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今日の日本の文化を決定付ける革命を起こした禅と茶の湯。
一口で説明するのに難しい禅、茶、書の手ごわい世界を、岡本光平が親しみやすく紐解きます。
利休以前に床の間に飾られていたのは、絵画でした。
わび、さびの茶を提唱した利休によって、極限まで削ぎ落とし、狭い茶室に豊穣なる余白の世界を現出するために、初めて書が床の間の主役となりました。
書は引き算に引き算を究めた果てに、掛け算の効果を生み出す芸術。
一瞬の茶に人生を賭けてきた先人たちの想いに、想像の翼を羽ばたかせる喜び。
一碗の茶、一輪の花、一日一生、
一つの言葉が立ち上がり、悠久なイメージを創造する現代書家岡本光平の作品世界を、存分にお楽しみください。

書業50周年 岡本光平展「一日、一生」
会期/4月4日(火)~10日(月)
会場/高松三越 美術画廊

■ギャラリー・トーク「茶の湯と日本人の書」
4月8日(土)午後2時~3時

■書のリクエスト・ライブ
4月4日(火)~9日(日)午後1時~6時

■講演会「千利休と茶の湯 ~利休渡来人説~」
4月3日(月)午後2時~4時30分
場所/サンポートホール高松 61会議室 ・087-825-5000
主催/香川県真言宗連盟 
※参加無料

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■拈華微笑(ねんげみしょう)

釈迦が弟子に説法している時、一本の花をひねって見せたが、弟子たちはその意味がわからず沈黙していた。ただ一人、迦葉(かしょう)だけが悟ってにっこりと笑った。言葉で表せない仏教の奥義を理解した例え。心から心へ伝えること。以心伝心。

■玄之又玄 玄牝之門(げんのまたげん げんぴんのもん)

老子「道徳経」。玄のまたその奥の玄はありとあらゆる微妙なものが生まれてくるところ。万物を生み出す谷間の神は、とめどなく生み出して死ぬことはない。

■無常(むじょう)

現象世界のすべてのものは生滅してとどまることなく常に変移している。常なきさまの無常観は移ろいゆくものにこそ美と永遠性があるという日本人の美意識でもある。もののあはれ。

■我逢人(がほうじん)

道元禅師。心と心との出逢い。物と物との出逢い。人と物との出逢い。出逢いこそ命。人と人との出逢いこそがすべての始まりであり、その尊さを表す。

■心身(しんじん)

人間は心と体から成り、ともにしがらみのなかで生きている。道元禅師は「身心脱落」と解脱(げだつ)を言われたが、五欲煩悩は喜怒哀楽の源であり生きる力でもある。あえて心を先に「心身」とした。

■一日一生

比叡山の千日回峰行を二度満行した大阿闍梨の酒井雄哉さんの言葉。千里の道も一歩から、一生も一日一日の積み重ね。生老病死の悩み、喜怒哀楽は人間の常。だからこそ一日一日を大事に楽しく生きる。

■雨洗風磨(うせんふうま)

中峰和尚行録。雨に洗われ、風に磨く。風雨にさらされてこそ瓦も建物も味わいがでてくる。人間もさまざまな辛苦を乗り越えて磨かれ、深みのある人間性が宿る。

■白雲無心(はくうんむしん)

白雲はただ無心に去来している。変幻自在、融通無碍(ゆうずうむげ)。妄念や迷いも姿を変え、浮かんでは消える雲のようなもの。しかし、白雲は自由自在にとらわれることなく、さえぎるものもなく青空に流れていく。

■寂(じゃく)

さび。古びて枯れた渋い味わい。ひっそりと静かなさま。生死を超越した悟りの境地。

■空(くう)

すべてのものは、みな因縁によってできた仮の姿で、永久不変の実体や自我などはない、と般若心経などに説かれている。色即是空 空即是色。

■芋喰(いもくらう)

岡本光平造語。人間は米を食う前の数万年間は、芋を食って命をつないでいた。貧苦の原点を忘れない、初心を忘れるべからずの意。

■無明光明(むみょう こうみょう)

無明とは迷い、真理に暗く智恵の光に照らされていない無知な状態。光明とは仏が自ら発する光で智恵や慈悲の象徴とする。未来への希望。「倶舎論」では光は太陽、明は月という。

■おもしろきこともなきよをおもしろく

二十七年の生涯を駆け抜けた高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり」の歌。要は自分の気持ち次第でおもしろくもなるし、心の持ち方ひとつですべてを変えられる、と言っているようだ。


1字で全てを表す。
2字で世界が倍にふくらむ。
3字で無限に広がり、
4字で詩となる。

高松三越「岡本光平展」の出品作から、一部をご案内します。
書の作品を見て、その内容を想像するのが鑑賞です。
でも今回は、作品のキャプションから書の作品を想像してください。 
文字の背景に広がる果てしない宇宙、その時空を超えた作品との出逢いを、高松三越ギャラリーでご鑑賞ください。


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