宮城谷昌光さんの新刊「呉漢」を読んだ。
6年前に夢中で読んだ「草原の風」の続編だから、読むまえから期待にゾクゾクした。
前著の主人公劉秀の天下統一をめざす人には珍しい清廉潔白な生き方、本当の天子たるべき人の在り方に、心洗われた。
読売朝刊の連載終盤に東日本大震災と遭遇、連載の中断を余儀なくされた。
そして2週間経った頃、まだ新聞紙面が数ページしか無い中で、見開き全段を使って12回分の「草原の風」が一挙に掲載された。
世の中に垂れ込める暗雲を吹き払う風に思えた、宮城谷さんの渾身の筆致。
困難に負けずに正々堂々と立ち向かう劉秀の姿を、被災した人々に届けようとする新聞社の熱い思いを感じる紙面だった。
新刊「呉漢」を読みはじめてすぐにある文字に目が止まった。
「高句麗(高句驪)」
中華思想では自分たち漢民族だけが世界の中心で、周辺の異民族は下等なものとされ、ケモノヘンや野蛮な意味の文字で呼ばれたのは周知の如く。
コリアンの語源である高麗(コリョ)の「麗」は「うるわしい」を指す文字かと思っていた。
ちなみに我が国を指す「倭=わ」は、志賀島の金印で「委」と彫られていて、ニンベンをとることによって人間を否定されている。
高句驪の「驪」は「馬」と「麗」から出来ている、つまり「馬鹿」なのだ。
まさに馬鹿にした話だが、それだけ中国王朝がアジアの中で強大だったということ。
その中国で最も清廉を旨とした光武帝劉秀が中国全土を統一した物語が「草原の風」だった。
劉秀の最も信頼を寄せた知将が後漢の建国に尽力した「呉漢」である。
今回も宮城谷さんの澄んだ筆致に心を浄化され、人生の指針を賜った。
6年前に夢中で読んだ「草原の風」の続編だから、読むまえから期待にゾクゾクした。
前著の主人公劉秀の天下統一をめざす人には珍しい清廉潔白な生き方、本当の天子たるべき人の在り方に、心洗われた。
読売朝刊の連載終盤に東日本大震災と遭遇、連載の中断を余儀なくされた。
そして2週間経った頃、まだ新聞紙面が数ページしか無い中で、見開き全段を使って12回分の「草原の風」が一挙に掲載された。
世の中に垂れ込める暗雲を吹き払う風に思えた、宮城谷さんの渾身の筆致。
困難に負けずに正々堂々と立ち向かう劉秀の姿を、被災した人々に届けようとする新聞社の熱い思いを感じる紙面だった。
新刊「呉漢」を読みはじめてすぐにある文字に目が止まった。
「高句麗(高句驪)」
中華思想では自分たち漢民族だけが世界の中心で、周辺の異民族は下等なものとされ、ケモノヘンや野蛮な意味の文字で呼ばれたのは周知の如く。
コリアンの語源である高麗(コリョ)の「麗」は「うるわしい」を指す文字かと思っていた。
ちなみに我が国を指す「倭=わ」は、志賀島の金印で「委」と彫られていて、ニンベンをとることによって人間を否定されている。
高句驪の「驪」は「馬」と「麗」から出来ている、つまり「馬鹿」なのだ。
まさに馬鹿にした話だが、それだけ中国王朝がアジアの中で強大だったということ。
その中国で最も清廉を旨とした光武帝劉秀が中国全土を統一した物語が「草原の風」だった。
劉秀の最も信頼を寄せた知将が後漢の建国に尽力した「呉漢」である。
今回も宮城谷さんの澄んだ筆致に心を浄化され、人生の指針を賜った。