大モンゴル・アルタイ岩画拓本プロジェクトツアー
7月26日
ツアー3日目の朝を、 モンゴルの最西端、カザフスタンとの国境に近いビルート山の麓、美しい 湖畔に張られたゲルで迎えた。
前日の朝、ウランバートルを飛び立ち、モンゴル最西端の町ウレギーに到着。
この辺りはカザフ族のエリアであるため、ドライバーたちの言葉もカザフ語だった。
ツアー3日目の朝を、 モンゴルの最西端、カザフスタンとの国境に近いビルート山の麓、美しい 湖畔に張られたゲルで迎えた。
前日の朝、ウランバートルを飛び立ち、モンゴル最西端の町ウレギーに到着。
この辺りはカザフ族のエリアであるため、ドライバーたちの言葉もカザフ語だった。
ここからロシアの準軍用車4WDに参加18名とガイド、通訳、現地大学教授、政府役人が3台に分乗、他にキッチン車、荷物車など総勢5台のキャラバン隊を組んで出発。
これが想像を絶する過酷な旅の始まりだった。
子供の頭くらいもある石の道、急流の川渡り、片側が谷に落ちそうな急坂の登坂、それらを乗り越え、しゃべれば舌を噛みそうな激しい振動、まるで人を立ち入らせないような悪路が行く手 をふさぐ荒野を走ること220キロメートル。
途中4WDが悪路との格闘でオイル漏れ、ブレーキ故障、車軸の曲がりなど、何度もトラブルを起こすたびに、それをわずかな道具で修理し乗り切るドライバーが頼もしかった。
しかし予定は遅れに遅れ、キャンプ地に着いて夕食にありつけたのは23時30分だった。
夜明けは雨だったが、すぐに金色に輝く朝陽が現れた。
ゲルの前に広がっていたのは、果てしなく広がる透明な湖と万年雪が朝陽にまぶしいアルタイ山脈の支脈だった。
人工物が見渡す限り何もない雄大な大自然のまっただ中、もし、遊牧民のゲルがなかったら、カナディアンロッキーと見間違うような美観だった。
モンゴルの面積は日本の4倍、人口は日本の40分の1しかない300万人。
およそ日本全国に徳島県の人口が散らばって住んでいるような密度しかいない。
さらにその45パーセントが首都ウランバートルに住んでいるのだから、何時間走っても人影を見ない広大な大地は、手付かずの自然そのものだった。
ゲルで目覚め、湖から汲み上げた水を沸かして淹れてくれる紅茶を飲んだ瞬間、遊牧民の暮らしに一歩近付けた気がした。
草原での朝食を済ませて、最初の岩画ポイント「ビルート山」へ。
湖畔のキャンプ地から4WDで20分くらい登ったところに、美しい谷間が開けていた。
東の山の麓に大きな岩山が露出していて、そこに大きな馬が彫られていた。
拓本作業をしていると、どこからか数十頭のヤギやヒツジと共に遊牧民の少女が騎馬で現れた。
彼女は我々と同じ現代を生きているのだが、岩画に描かれた太古の世界に浸っていた我々には、悠久のモンゴル大地に生きている少女のように思えた。
石に彫られた騎馬群像