あべのハルカスは地上の高さ300メートルで、商業ビルとして日本一の高さである。
593年(推古天皇元年)に聖徳太子が建てた四天王寺の五重塔は、39.2メートルの高さがある。(現在は改修工事中)
日本一のビルが1400年余も時代が進んでも7. 5倍にしかならないという古代の技術者たちの水準の高さに、改めて圧倒される。
境内を一周していると、不思議な旗がお堂を囲んで並んでいた。
お堂の名は 「番匠堂」、技術者たちに深くゆかりのあるものだった。
曲尺(かねじゃく)を携えてお堂に祀られている聖徳太子像は、大工の始祖として番匠(大工)たちから尊崇されてきた。
太子は七堂伽藍を建てるにあたって、百済より最新の番匠を招来した。
さらに太子は、建立にはやむを得ず大地の産物の命を絶ってしまうので、鎚(かねつち)、鋸(のこぎり)、錐(きり) などに仏性を入れて、番匠器(大工道具) で 「南無阿弥陀仏」 の名号を書き、大工の仕事の安全と伽藍の無事完成を祈ったと伝えられている。(寺の解説を要約)
文字が読めない人にも分かるように、大工道具の形で文字を表現しているデザイン性が面白い。