1週間の広島福屋「中西繁展」を終わり、昨夜、豪雨で立ち往生する新幹線で何とか帰宅しました。
暑いあつい中、会場にお越しくださいました皆さま、ありがとうございました。
2013年に中西先生が広島県立美術館で開催した「廃墟と再生展」のスピリットに感銘し、ボランティアで実行委員会を結成した有志の皆さま方のご支援で、この度も成果を上げることが出来ました。
毎日会場に向かう道すがら、ワイシャツがびっしょり濡れるほど暑い日射しを浴びながら、毎朝思うことがありました。
8月6日、平和祈念展に参列して慰霊の祈りを捧げましたが、その後に続く毎日、71年前の夏も暑かったに違いない。
その暑さの中で被爆し傷ついた人々はどんな苦しみを味わったのだろうかと思いつつ、原爆の焼け野原に残った数少ない建物で今も営業を続ける福屋デパートの画廊へ通いつめました。
病棟もない野ざらしの患者にとって、この灼熱の太陽がどれほど苛酷だったか、、、。
2004年から2年間、ゴッホが暮らしたパリのアトリエで暮らすという奇跡の制作活動の中から生まれた作品たちに、賞賛の声が寄せられました。
その中の一点「夜明けのポン・ヌフ」は、ゴッホの「星月夜」に思いを重ねて鑑賞している人もいました。
広島は原子爆弾による世界最初の犠牲を被り、廃墟から再生した街です。
広島の街角を歩きながら、そのことを常に感じます。
広島駅を滑り出した新幹線の右車窓に、赤いユニフォームに埋る広島市民球場が望まれました。
25年ぶりの優勝に燃え立つ広島市民の熱気が、2016年朱夏の残像となりました。