日展に行ってきた。
新鮮味のある若手の作品を楽しみに会場を回った。
新鮮味のある若手の作品を楽しみに会場を回った。
田中里奈 「水辺に棲む者達」
昨年に続いての動物シリーズ第2弾。
このカバを表現するために、どれだけ動物園に通ったのだろう。
何時間、カバと向き合ったのだろう、と想像してしまう。
水の動きが生きものたちを生き生きさせている。
日本画部門に回り、2点の作品が目に止まった。
吉岡珠恵 「梅雨入り」
現代の小学生たちの姿が伝わってくる。
コウモリ傘の時代は遠退き、ビニールハウスの温室育ちのような、作者の眼差しの温かさを思った。
次は、作品の中に踏み込み、足跡を刻み込む大胆な作風。
鉄錆を混ぜ込んだという画面からは、現場の匂いが発せられているかのような臨場感。
聞けば父親の経営する精密機械の製造工場をモチーフに描いたという。
無機質な中にも、遠くからふるさとで働く父親の日常をみつめる娘の心情をうかがえる作品。
福本百恵 「Line 工場の床」