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Channel: 思いのしずく
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アララト山 2

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チャールトン・へストン主役のスペクタル映画 「十戒」 が描く 「出エジプト記」 の海が割れるシーンは圧巻だった。
この奇跡が3000年以上も語り継がれてきたことを不思議に思ってきた。
単なる荒唐無稽な物語ではなく、何らかの史実が秘められているのだろうと思ってはいたのだが・・・。
 
「アララト山 方舟伝説と僕」 の中に、明快な文章が載っていた。
 
モーゼが人びとを 「紅海」 へと導いたわけではないと言う。これは翻訳の誤りであって、正しくは紅海ではなく、「葦の海」 だったのだ。今の教科書はそうなっている。それで正しいのだ。 (中略) 大切な点は、葦が生えている箇所は海が浅いということだ。英語訳の聖書ではかつて紅海 red sea だったのが、今では葦の海 reed sea となっている。たった一字増えただけだが、僕の子供の頃の絵入り聖書に描かれていたあの恐ろしい光景、両側にそそり立つ水の壁の間を行くというあの光景はじつはなかったことになる。そしてモーゼが腕を伸ばすと、その水の壁が追跡する軍勢の上に崩れ落ちてくるという話もなし。 (中略) モーゼは歴史上最初の干潟歩きのガイドだったのだと。潮の変わり目に海に入ると水に呑み込まれてしまう。パオの軍勢がそうだった。
 
砂漠のエジプト軍に対して、潮の干満の知識を持っていたモーゼの勝利。
潮の流れを味方につけた義経が、平家を海に沈めた壇ノ浦を思い出した。
 
それにしても、たった一文字の違いが、奇跡の光景を生んだとは、驚きだった。
 
もっと驚きなのは、すでに教科書にも載っている事実? という記述である。
知らなかったのは自分だけなのだろうか。
 
ノアの方舟伝説にもこのよな明解な謎解きが欲しいものだ。
 
 
 
 
 
 

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