寛次郎記念館から智積院が近いことを知って歩いた。
真言宗智山派総本山の智積院は、東山を背に広大な伽藍を有する寺だった。
長谷川等伯一門の国宝障壁画を、書院造りの間取りの状態で間近に見ることができた。
息子久蔵が25歳の時に描いた国宝「桜図」の見事さに感嘆するとともに、その翌年に若くして亡くなった無念さが伝わってくる。
その左側に描かれた等伯の国宝「楓図」の逞しさ。
一人息子を亡くした悲しみと一門の跡継ぎを失った失意から、必死で立ち直ろうとする気迫に満ちていた。
本物は宝物館で展示、実際の書院の間にはレプリカがあり、左が等伯、右が久蔵。