関西で仕事をしていると、よく言われることがある。
「関東のうどんや蕎麦はおつゆが真っ黒で、醤油を飲んでるようであかん!」
昔はその醤油のような味がいいと思っていたが、関西のうどんを食べたらいっぺんで「あかん!」派になってしまった。
先だって高級老舗店に置いてある「味の味」という無料PR誌を読んでいたら、邱永漢という「金儲けの神様」と言われた人気作家の半世紀前のエッセイが再録されていた。
関東のうどんや蕎麦でもかつぶしを入れたものはまだいいとして、
「花かつおというのはザコのダシだそうだから、いずれ安いダシであることは間違いない(中略)醤油の味の方がかってしまって、とてもそのままではのどを通らない。」
と書いているので驚いた。
「かつおぶし」より「花かつお」の方が高級かと思ったら、いやいやとんでもない、日本人は花が付くとついつい騙されてしまう心理を見事に狙った商魂に感心した。
だから関東では大抵はドンブリにおつゆが残っていて、関西ではおつゆを飲み干すのが当たり前と邱さんは書いているが、そこはベストセラー作家。
どちらも大事な読者なので、関東のお客様にも気を遣って次のように書いている。
「関東の人が味オンチでおつゆの味に不感症なわけでなく、うどんやそばのおつゆは、うどんやそばをあたためるもので飲むものではないと考えられているようにも思えるのである。」
大阪出張が待ち遠しい今日この頃です。
昨日は信州小諸へ出かけて眺めた浅間山の雪化粧、改めて富士山に負けないくらい美しいと思いました。
そして以前、絵画展で10年間通った思い出深い佐久市へ。
北海道から招いた作家さんが、ここは北海道より寒いと驚いていたシバレル夜にも食べたラーメン。
久しぶりにアートが好きなラーメン屋「頓珍館」さんへ寄りました。
ここの「とんちんラーメン」は中華そばの原点、へたな写真でも美味さは伝わるのでは!