四天王寺
澄み切った寒気の中、四天王寺さんに参拝。 大阪へ向かう新幹線の中で梅原猛「塔」を読んできた。なぜ聖徳太子は今の地に四天王寺を建てたかということが書かれていた。 日本の神を奉ずる物部氏と、仏教を受け入れたい蘇我氏と太子の連合軍が戦い、物部氏が破れた。 その物部氏の本拠地の跡に、鎮魂を込めて四天王寺が建てられたという。 12日の今朝はラッキーにも、聖霊院太子殿でお札が配られていた。...
View Article使命
出張から帰ると、1週間分の新聞を読み返します。 今回も目に留まったのは読売新聞特別編集委員の橋本五郎さんのエッセイでした。 山本周五郎の短編を引き合いに為政者のあるべき姿を語っているのですが、枕に小渕恵三元首相の言葉を紹介していました。 宿命に生まれ 運命に挑み 使命に燃え 誰しも天から授かったこの命の使い方は自由ですが、これほど示唆に富んだ教えがあったとは!...
View Article群馬の観音山古墳
群馬県は古墳が一万基もある古代日本の古墳王国です。 里帰りしたついでに高崎市の観音山古墳を見てきました。 去年訪ねた大阪の仁徳陵や応神陵を懐かしみながら、全長約100メートル近い前方後円墳は美しいプロポーションでした。 前方部に立つと正面は榛名山、左角の先には浅間山、右角の先には赤城山、古代の人が表したかったデザインがはっきり伝わってきました。 昼は十割そば桜花さんへ。...
View Article東大阪のパワースポット
大阪の仕事が終わって、前から関心があった物部氏ゆかりの石切神社へ寄った。 正式には石切剱箭神社(いしきりつるぎや)だが、地元の方は「いしきりさん」と呼ぶ。 大阪平野から見てアンテナがたくさん立つ生駒山は、目立つだけに20年以上前から眺めて来た。 東にそびえる山頂から朝陽が昇る場所であり、物部氏はその聖なる山の麓に先祖の神ニギハヤヒを祀り、石切神社とした。...
View ArticleBon
先月末にボンカレーの発売から50周年を記念して、松山容子さんがワイドショー出演、「永久に~」と祝辞を述べていました。 テレビから「とこしえに」、ひさびさに美しき日本語が伝わって来て、うっとりしました。 ちなみに「とこしえ」の反対は「いにしえ」。なぜか、しえしえなんですね! 似た言葉に「永遠」=「とわ」があります。 その違いは、とこしえは名前になりませんが、とわは名前に人気あるとのこと。...
View Article太古の響き 林英哲
去年の3月は仕事明けに高野山に登りました。麓の九度山から22キロの遍路道を。 いま頃は雪も深く困難な状況と思われますが、今年も高野山へ参りたいと思わせる記事を読みました。 読売新聞「時代の証言者」に、かねてから注目していた和太鼓奏者の林英哲さんが登場。 連載の第27回に大変興味深いことが書かれていました。(以下抜粋)...
View Articleイカニンジン
年の瀬、久しぶりに「イカニンジン」を作った。 酒の肴にも、ご飯のおかずにも、箸が止まらなくなるくらい美味いので、あっという間になくなった。 子供の頃から食べていた海のない群馬県ならではの郷土の味かと思っていたら、福島県では県を上げて県民食としてPRしていることを知った。 群馬ではスルメイカとニンジンを短冊切りにして、酒と醤油で一昼夜漬けるだけ。...
View Articleみうらじゅん還暦展
川崎市民ミュージアムで開催中の「みうらじゅんフェス」が面白かった。 「マイブーム」「ゆるキャラ」の命名者として、「仏像ブーム」の火つけ役としてお馴染みだが、今回一番見たかった作品が「アウトドア般若心経」。 般若心経はお寺の中だけでなく、繁華街の中にも息づいているという見立てから、街の看板から276文字を切り取った。 でも「藐=みゃく」などという文字は、どうやって捜し出したのかと感心してしまった。...
View Article仁和寺と御室派のみほとけ
音声ガイドから流れる読経に耳を傾けながら、仁和寺観音堂に並ぶ仏様の群像に圧倒された。 普段は非公開の観音堂内部を再現した須弥壇で、十一面観音菩薩を中心とする33体の仏様が真言密教のパワーを放っていた。 東寺の立体曼荼羅が21尊なので、それをしのぐ威容はすさまじい迫力があり、門跡寺院としての雅なイメージの仁和寺とは別の一面を見ることが出来た。...
View Article本屋のこだわり
大阪から高松まで高速バスで移動するため「南海難波駅」へ。 乗車前に腹ごしらえをしようと思って、なんばグランド花月に向かう通りを適当な居酒屋をさがして歩いていた。 旨そうな食べ物屋が軒を並べる狭間に昔ながらの本屋さんがあった。 波屋書房さんに入ってみたら、本の並べ方に独特の工夫があった。...
View Articleお水取り
2008年3月、 世界金融危機の逆風の中、独立創業の航海に旅立つ無謀さに迷いながら、ニューヨークに旅立った。 MoMAやメトロポリタンで現代アートの洗礼を受け、巨匠たちの創作のエネルギーに圧倒された。 帰国後すぐに奈良に向かった。 1250年続く東大寺二月堂のお水取りを体験するためだった。 3月13日、二月堂の舞台から夕日が沈むのを眺めていると、東大寺の真上に沈んだ。 前日にはわずかにずれていた。...
View Article堺
3月1日に大阪堺の千利休ゆかりの地を訪問。 利休屋敷跡で前日の2月28日が利休さんが切腹した命日であることを知りました。 その屋敷跡にある井戸の建屋が、金毛閣を建て替えた時の廃材が使われているとのこと。 金毛閣は京都大徳寺の山門、利休さんが秀吉の癇気を被る原因となった因縁の代物。 次に訪れた南宗寺は千三家の菩提寺。 千家の墓の隣には師匠の武野紹鴎が眠っていました。...
View Article岡本光平 花黙不語
東京の西武新宿線下井草駅前にあるギャラリー五峯で開催中の岡本光平展。 DMの春爛漫の色彩と、土筆やわらびや草花のいのちが土から芽を伸ばしたような文字が初々しい。 いつものパワフルな岡本光平とは思えないナイーブなメルヘン世界、その幅広さこそ作家の魅力である。 作家の言葉がその心境を語っている。...
View Articleダシ
関西で仕事をしていると、よく言われることがある。 「関東のうどんや蕎麦はおつゆが真っ黒で、醤油を飲んでるようであかん!」 昔はその醤油のような味がいいと思っていたが、関西のうどんを食べたらいっぺんで「あかん!」派になってしまった。 先だって高級老舗店に置いてある「味の味」という無料PR誌を読んでいたら、邱永漢という「金儲けの神様」と言われた人気作家の半世紀前のエッセイが再録されていた。...
View Articleお水取り 2
お彼岸を過ぎて桜が一気に満開になりました。 2週間前には春を呼ぶ東大寺お水取りと言っていたのに、季節の移ろいは瞬く間です。 奈良好きの私にとって、大変ありがたい 奈良のお客様がいます。たまには泊めて頂くこともあり、ご夫妻で各地を連れ回してくれます。 その方から昨日小包が届きました。 東大寺の長老が日頃お世話になっている方に、お水取りの後にお配りする品をお福分けして下さったものです。...
View Articleキルギス 天馬の子孫
津島佑子さんの「黄金の夢の歌」は、彼女が愛した狩猟・遊牧に生きたキルギスの世界を描いた物語だった。 中央アジアの大草原を何千年も走り抜けてきた人々、その悠久の歴史と民族の魂を今に伝えようとする津島さんの祈りの叙事詩を愛読してきた。 ところが今回めずらしくキルギス人の監督、主演による映画が封切られたので迷わず馳せ参じた。 「馬を放つ」は美しい自然のなかで、妻と幼い息子と3人で慎ましく暮らす男の物語。...
View Article春宴
昨夜はまるで満月と桜に誘われて、一人いにしえの宴に遊ぶ思いでした。 映画「空海」が話題ですが、今朝の読売新聞の書評に夢枕獏さんの原作「沙門空海唐の国にて鬼と宴する」が紹介されていました。 司馬遼太郎さんが「地球上の住人だったということすら時に感じがたい」と空海の天才性を書いていたことも紹介。 初版の表紙の文字は岡本光平先生のユニークな書です。
View Article(株)宙 11年目のスタート
モンゴル・ゴビ沙漠のゲルが並ぶツーリストキャンプに、去年の夏滞在した時の夜空です。 天の川が大宇宙を横断するフォトは、旅の仲間でプロカメラマンのDick Sugiさんの作品。 これだけ沢山の星が隙間なく輝いていても、それは宇宙のごく一部であることを考えると、たった一つの星である地球の存在が奇跡としか思えなくなって来ます。 そこに暮らす我々もお互いに奇跡の存在です。 株式会社 宙 (そら)...
View Article悠久の中国・江南の春旅 1
4月11日 苦手だから今まで避けてきた「漢詩」、だけど中国へ行くついでに少しでも味わってみたいと思うようになりました。 李白と杜甫を調べてみると、二人が詩人として優れている前に、人並みならぬ苦労の人生を送った人だったことが分かると共に、それが全て詩に語られていることを知りました。 その途端、李白も杜甫もぐっと身近な人になりました。 広大な中国大陸を旅から旅へと明け暮れた詩人 李白と杜甫。...
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